今日のブログは『あなたが今家を建てようと思っている』人以外は読まないでください。
以下の文章は、以前私が「300件の家の設計をして得たポイント集。素人の人がいかに自分が満足できる家作りが出来るか!」に焦点をあて書き上げた冊子の抜粋です。前準備として持ち込み家具の寸法を測るとか、図面に書き込むなどの作業が必要なのですが、必ずメリットがあるやり方なのでまずは始めます。
今どこかのハウスメーカーや、設計事務所などと実際に話が進んでいるような場合は特に成果がある(満足度をアップさせる)やり方です。
プランを見ながらぜひ実際にやってみてくださいね!
《Point 5》
あなたと家族が無意識に行動している動作を、建築屋さんからもらった平面図の上で歩いてみる!
改めて考えてみると当たり前なのですが、人間それぞれ一人ひとり生活パターンや様式は違うものです。だから夫婦でもその辺のすり合わせに結婚してから何年かかかる場合が多いと思うのですが、ずーッとすり合わさずにいく夫婦もいるようで、、、この話は脱線してしまうので改めて。
こんなことが多いのでプロの聞き取りがとっても重要ということになってくるのですが、
たとえば、あるご主人の朝の行動を追ってみます。(きりがないので朝だけにします)
昨日の疲れもあまりとれなかったが、朝になってベッドの枕横に置いてある目覚まし時計を止める。(7:00)
→枕横に置いてあるメガネをとって2階のトイレに行く
→階段を降りてボイラーのスイッチを入れ、洗面所で顔を洗い、タオルで拭いて、ひげを剃り、歯を磨く
→再度2階に上がり整理タンスの下着を着てスーツに着替え、かばんを持ち1階に降りる
→ぞうりをはいて玄関に新聞を取りに行く
→テレビをつけて食卓テーブルで新聞を読んでいると、奥様が起きてきてキッチンで朝食を作り始める。朝の会話をしながら。
→少ししたら子供が起きてきて子供と一緒に食事をする
→いつものテレビ番組のいつものコーナーが終わるころ家を出る時刻になる
→洗面所で軽くうがいをして
→玄関で奥様が磨いてくれた靴を履き
→「いってきまーす!」と玄関ドアを開けて外に出る。
細かく言えば「食パンがどこに置いてあって、トースターに入れて」とかまだまだ書けますが、文面がもったいないのでこれくらいにしておきます
これをしてみると、あることに気が付きます。例にあげた上の文からみえてくるのが
・目ざまし時計ってどこに置くの?
・メガネって寝てるときどこにおくと便利なの?
・洗面所で顔を洗った後に拭くタオルはどこにかかっていると使いやすいの?
・ご主人の行動、朝だけで2階〜1階〜2階〜1階〜外出 ―本当に便利な家?
・今度の新しい家のボイラー(給湯器)は何を使って、どこにリモコンのスイッチがつくの?
・食堂にテレビはあったほうがいいの?キッチンからも見えたほうがいい?
・出かけるとき見る時計は、テレビに表示してある時計でいいの?消しているときは?普段良く見る時計はどういうものをどこにつければ便利?
などなど、検討してみることが結構たくさんあります。
私たちは、毎日の生活のかなりの部分を無意識で行動しているのですが、それを今の生活を思い出しながらでいいので、新しい図面の上で、無意識の行動を図面の上で再現します。細かく!細かく!
「そういえば、今の家ではこんなことが不便だった」とか
「そういえば、今度の建てる家はこんなことができるようにしたかった」など
それがいくつかでも出てきたらしめたものです。
朝から晩までの行動パターンを、家族一人づつ図面の上に線で書いて(建築用語で動線といいます)、検討事項を※新築ノートに書き出してみましょう。(休みの日は?人が来たときは?年末年始は?なども当てはめてみてください)
ここで使う時間は1回限りですが、実際の家に住むということは、それが何年も、いや何十年も続くのですから。
ちょっと時間がかかる作業ですが、これをやってみて気が付いたことを図面に反映させることが、最終的には短時間で大満足のマイホームを手に入れる方法です。
ぜひ楽しみながらやってみてください。
★ あなたにもチェックできるプロの設計ポイント ★
提案されたプランの平面図上で、あなたや家族がどのように動くのか手に取るように思い浮かべて、何が必要か、何を検討すべきかを具体的に考える
▼▲▼▲アドバイス▼▲▼▲
このポイントはちょっとだけ想像力を必要とします。
ちょっと難しいと感じる方は、以下の方法をやってみてください。
@模型、もしくはなるべく大きな図面(1/50)の図面を用意する。
Aあなたの身長を50で割る 例)165p/50=3.3p
B3.3pの人形を用意する。(なるべくリアルなほうがいいですが、たとえば3pのビスを芯にしてティッシュを巻いて髪の毛くらい書くとか、、、身近なものですぐつくれます)それがあなた自身です。
C@で用意した図面や模型の中でBでつくったあなた自身を動かしながら、その場所ではなにをするのか、何を使っているのか、どういうものが必要なのかを、毎日のあなたや家族の日常を思いうかべながら、朝から順番にシミュレーションしてみる。
D気づいたことは、すべてノートに書きとめる。
E書き留めたことを信頼できる設計者に投げかける。
できればご家族のみなさんとご一緒にやってみてください。
ゲーム感覚で、結構楽しめるはずですよ。
次に、前に出てきた、動線(人が通る道)についてアドバイスです。
ポイントは2つあります。
1つ目は「特に決まって行う毎日の動線は、短いほうがいい」ということです。
ところで前述の作業をしながら平面図に自分の毎日の行動パターンを線にして描いてみましたでしょうか。(実際になぞって見ることが重要!)
その図面で、線が何重にもなっているところは、あなたが家の中で最も利用する通路なのです。
そして、その線はどの部屋からどの部屋に行く時に多く書かれていますか?何をするときですか?
2つ目は「回廊式の動線が多ければ多いほど家は使いやすくなり、さらに楽しくなる!」ということです。
最低でも1つ以上は回廊式をとる間取にしたいものです。
もし手元にまだプランがないのであれば、参考として、新聞の折り込みチラシでよく平面プランが載っているものがありますので、ちょっと注意してみてください。
そのプランは回廊式がとれているプランでしたか?
建売(完成した家を土地付で販売すること)などのプランには回廊式の取れていないものもありますが、前述の作業で何が不便なのか見えてきます。
たとえば、風呂をあがったら、キッチンや食堂の横を通ってしか寝室に戻れないとか、家事動線(キッチンから洗濯脱衣の場所までの距離)が遠いなどあります。(これでは来客時は家族が風呂に入れないし、家事動線が長いのはどう考えても不便です)
回廊式のよさは、たくさんあります。
子供がかくれんぼ出来たり、ペットがいたら家の中をぐるぐると歩きまわれるし、家の中が楽しくなります。
一つの場所へ行くのにいつも同じ道しかいけないのは不便だし面白くないと思うのです。
★ あなたにもチェックできるプロの設計ポイント ★
回廊型の便利さを理解しているので確実に1箇所以上廻る動線をつくる。その上でよく使う動線(人がたくさん使う動線)は出来るだけ短くとるようにする
ご意見、感想などぜひお気軽にコメントを!お待ちしています。
ちょっと長くなってしまいましたね。最後まで辛抱強く読んでいただきましてありがとうございました。お礼に宮古の海ガメで和んでいってください!
本日もお付き合いいただき、誠に有難うございます。
ブログ村にお帰りの際には、応援クリックと共にこちらから…
村民以外の方も、是非お越し下さい。
↓↓↓
にほんブログ村
お時間のある方は、過去ログへも是非、お立ち寄り下さいませ。
Copyright (C) 2009 SHINOZAKI ARCHITECT OFFICE. All Rights Reserved.